元金返済は貯金箱、支払金利はドブ川!?
今回は元金返済と支払金利について、「貯金箱」と「ドブ川」に例えてご紹介したいと思います。
元金返済と支払金利の関係
不動産投資を銀行からの融資を通じて行う場合、家賃収入のうちの一部を返済に充てる必要があります。
イメージをしやすいように、例えば3000万円のアパートをフルローンで購入した場合で考えてみます。
金利3.0%/20年/元利均等返済方式の条件の場合、毎月17万円の返済です。
一方で家賃収入は、例えば利回り10%の物件を購入して満室運営していた場合、年間家賃収入が3000万円の10%で300万円、月当たりの収入は25万円です。
そうすると、月々の収支は、
収入25万円-返済17万円=キャッシュフロー8万円
となります。
※ここでは管理費や経費は無視しています
※この返済比率は少しきついですね・・・w
よく不動産業者さんから上のような式を見せられ、「毎月こんなにキャッシュフローが出ますよ!」とおすすめされると思います。
・・・・・・
果たしてそれで充分でしょうか・・・?
元金返済は貯金箱、支払金利はドブ川??
先程の式には重要な項目が抜け落ちています。
それは、元金返済分と支払金利分の内訳です。
毎月の返済額17万円のうち、約7万円は利子、残りの10万円は元金返済です。
それぞれの意味をオーナーの立場で捉え直すと、
- 元金返済分は借金が減る(つまり純資産増加)
- 支払利子は払うだけでオーナーにとっては目の前の現実は何も変わらない(銀行は潤います)
ということになります。
いうなれば、元金返済は貯金箱、支払利子はドブ川にお金を投げ入れるようなものです。(融資自体を否定するのではなく、事実認識として)
不動産投資の効果をトータルで考える
不動産投資をキャッシュフローで捉えると、買うべき物件を間違えます。
結局のところ、あくまでオーナー目線で考えたときに、不動産投資を始めたことで目の前の現実がどう変わるか、という点が重要です。
先ほどの例に戻ると、
- キャッシュフロー8万円(オーナーの口座残高プラス)
- 返済のうち、10万円は残債減少(オーナーの将来の支払いが減るのでオーナーにとってはプラス)
- 返済のうち7万円は銀行に持っていかれる(オーナーの目の前の現実は変わらない)
つまり、この1ヶ月でオーナーにとっては、
①キャッシュフロー8万円+②元金返済10万円=合計18万円
が、オーナーとその家族の今後の生活を豊かにするという目的に対して意味のある数字となります。
つまり、キャッシュフローだけでなく元金返済分も含めてオーナーの純資産は増加しているのです。
不動産投資をキャッシュフローだけでなく、純資産という観点(バランスシートの視点)で捉えることで、目に見えにくい不動産投資のメリットが見えてくると思います。